読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

chirashi

エモーショナルな人生を

無駄なことなんてひとつもない

こんにちは! id:chira_rhythm55 です。「はてなディレクターアドベントカレンダー」11日目を担当します。前の記事は id:jusei (の奥さま)の「妻から見た、ある夫としての はてなディレクターの話」でした。

名エントリー続きのディレクターアドベントカレンダー。どんどんハードルが上がっていますね... マネジメントやサービス開発・企画の話は他の人に任せて、わたしはキャリアパスと休職の話を書きます。

新卒デザイナー、ディレクター、プランナーというキャリアパス

わたしは、2008年にはてな初めてのインターンシップに参加し、2009年に初めての新卒デザイナーとして入社しました。入社直後から「うごメモはてな」を担当し、海外版のローンチ、マイルームのデザインなどを行い、他チームとの兼務もしつつ、サービス終了まで見守りました*1。多くのユーザーさまに愛されるサービスの終了は残念でしたが、とても貴重な経験になったと思います。その後、チームのマネジメントに興味を持ち、2013年にディレクターになりました*2。Miiverse や B!KUMA を担当した後*3、自分の企画で新サービスを作りたくなり、幸運なことに機会にも恵まれそうだった矢先。2015年に乳がんの告知を受けて、8ヶ月ほど休職しました*4

現在は復職し、はてなブログチームでプランナーとして働いています。最近だと、はてなブログ5周年キャンペーンや、ブロガーさまへのインタビュー企画を進めています。

ディレクターの悩みと、休職中の思い

自分で望んだディレクターだったけれど、悩みは尽きませんでした。

ディレクターになった直後は、経験豊富で優秀なメンバーの多い中で、わたしがマネジメントをしても良いのだろうか(もちろん誰かに何かを言われたわけではなくて、自分自身の勝手な思い込み)。少し時間が経つと、実際に手を動かすことがなくなり、わたしの仕事はない方がいいのではないだろうか。本当にみんなに信頼されているだろうか。など。いま思えば、これらは、12月2日に id:yashigani_w が書いていたインポスター症候群ですね*5

そして、新サービスを立ち上げられるほどの情熱がわたしには本当にあるだろうか。と、不安で仕方ありませんでした。

何度も何度も、わたしには仕事が向いていないと思ったし、辞めようとも思いました。どうして苦しんで新しいことに挑戦しなくてはいけないんだろう、何もしない現状維持の方がいいのではないか。と。

そういうタイミングで、乳がんを告知されました。最悪な体験でした。しかし、同時に「仕事を立ち止まってみる良い機会だ」とも思いました。強がりではなく、このタイミングでラッキーだと思ったのです。

休職中は、もう社会に戻れないかもしれないと諦めかけたこともありました。その度に、仕事は苦しかったからやめる言い訳ができるかもしれないと思って、治療に専念するよう心がけました。

治療がほんとうにつらくて何もできなかったとき、ふと、わたしはまだ諦めてはいけないと思ったのです。自分の意思で変えることのできない悩みや不安は持っていても無駄だ、とも。病気のことはもちろん、仕事でも、自分の意思で変えることのできない悩みは無駄でしかありません。さらに、休職のあいだ、心と体の弱った状態でインターネットを見ていたから、あらゆる人のインターネットの体験をもっと良くしなければいけないと考えるようになりました。

ディレクターとプランナーの住み分け、プランナーとしての立ち居振る舞い

さいわい治療がうまくいき、会社の理解もあって、復職できました。はじめは時短勤務だったこともあり、ディレクターからマネジメント要素を省きプランナーということで復帰しました(徐々に勤務時間を伸ばし、現在はフルタイム勤務に戻っています)。

復職後は、「チームの穴を埋めるような働き方」を意識してきました。はてなブログの開発チームは、東京に、マネージャー陣(プロデューサー・ディレクター)とエンジニア・デザイナー・編集・サポート、京都に、エンジニア・デザイナー・編集アルバイトという、リモートかつ大人数のチームです。コミュニケーションに齟齬があったり、進行がうまくいかないこともあるので、チームに穴が空いていそうな箇所を見つけて、できるだけ埋めるように心がけています。わたしは京都にいるので、京都側だけで話が進みそうなときは、率先して取りまとめてディレクターに共有したり、相談しあったり。

また、マネージャー層は、その役割でしかできない「優先度も重要度も高いタスク」を抱えていると思っています。それに比べ「優先度は低いけど重要度の高いタスク」が後手になりがちです。日々SlackやGitHubなどの業務ツールを観察していると、そういったタスクが見えてきます。その中から、自分のスキルが活かせそうなものを見つけては、主体的に動くようにしています。例えば、仕様をきちんとドキュメントやスライドにまとめたり、チーム内の交通整理をしたり。

優先度は低いけど重要度の高いタスクというのは、チームやサービスの状況を知ることができるし、関係者の意見や価値観を把握しやすいものです。重要度が高い=貢献度も高いので、久しぶりに(もしくは初めて)一緒に働くメンバーに対して、存在感やスキルをアピールできるチャンスでもあります。スピードは重要ではない(〆切はない)ため、体力的・精神的負荷が少なく、復職後のわたしにとってはリハビリとしてもちょうどよかったのです。

さて、ここで気づいたのは、しばらく職場を離れても「その前に身につけた経験やスキルは消えたりしない」ということ。復職直後は、もう何もできないかもしれない・元のようには働けないかもしれない、と思っていました。実際はそんなことはないし、むしろ休職を経て、気持ちの整理や決心ができ、職業人生にも良い方向に作用しています。

これから

8ヶ月休むことは、人生が8ヶ月遅れることだと悲観していました。いまでは、それは企画者としての持ち味になるチャンスだと捉えています。これからは、チームの穴を埋めつつ、自分の世界観を出したものを作っていきたいと思っています。そして、あらゆる人のインターネット体験を良くしていきたいです。


ディレクターアドベントカレンダー、明日は id:ayakoya です。