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エモーショナルな人生を

はてなを退職します

8月末日をもって、新卒から12年以上勤めたはてなを退職します。今日が最終出勤日でした。9月1日からは、業務委託として一部の業務を継続する予定です。正社員という雇用形態は終わりますが、引き続き、大好きなはてなのサービスに貢献していきたいなと思っています。

18歳ではてなダイアリーを開設し、気づけば毎日のように更新し「ネット上で書く日記」に夢中になっていました。大学3年で就活を始めた際に、「自分の好きなサービスに携わる」ことを決め、当時新卒採用をしていなかったはてなの門を叩いていました。

それからの12年間、まったく何の経験もスキルもなかったわたしは、多くの方に支えられてなんとか一人前の社会人になりました。デザイナーから念願のディレクターに転身したことも、病気になって長期のお休みをしたことも、公私ともに上司や同僚のみんなのおかげで乗り越えられました。

2008年のはてなインターンに参加したこと、2009年に新卒デザイナーとして入社したこと、2013年にディレクターとなったこと。初めての新卒採用だったわたしには全て先の見えない体験でしたが、はてなの新卒の道を切り開くことに少しは貢献できたかなと思います。お世話になったみなさま、本当にありがとうございました。

退職を決めた背景

キャリアを考える上でターニングポイントになったのは、2015年に乳がんになったことです。

2015年は自分で新サービスを立ち上げようとしていたタイミングでしたが、治療による休職をするためにそれはペンディングとなりました。結果的に8ヶ月程度休職をし、2016年の復職時からしばらくの間は、体調を優先してマイペースに働くことを重視していました(休職から復職の際、働き方に柔軟に対応してくれた会社と上司とチームには感謝しています)。

2018年ごろには体調も万全になってきたと同時に、「がん患者のためのサービスに携わる」という気持ちが強くなっていました。闘病ブログをきっかけとし複数のメディアに出演をしたり、キャンサーペアレンツのデザインに協力したり、仲間を集めてメディアを立ち上げようとしたり、2年ほど「自分の体験で誰かを救う」ことを目指して個人的な活動をしていました。

そこで気づいたことは、自分一人の活動には限界があること、がん患者向けのサービスをビジネスとして行うのは難易度が高いこと、そして「それでもわたしは、がん患者向けのサービス開発がどうしてもやりたい」ということです。まだ形がないのならば自分たちで立ち上げたいし、社会を変える必要があるなら自分たちで変えようという思いが強くなりました。それが退職を決めた最大の理由です。

今後の本業

オンラインがん相談サービス『CancerWith』の開発・運営を本業にします。CancerWithは、2021年2月に公開したばかりのサービスです。これまで一部を副業としてお手伝いしていましたが、これからは取締役COOとして全力で育てていきたいなと思います。

わたしの人生と、はてなブログ

はてなに入社したい気持ちのあまり、はてなダイアリーに「はてなで働きたい」と書いたこと、病気になった自分を支えるために闘病ブログを立ち上げたこと、それをきっかけに新たな仕事につながったこと。復職からいまに至るまで、ずっとブログチームに所属したこと。人生で何かが起こるとき、そばにはてなダイアリーとはてなブログが必ずありました。

自分の人生を記録し変えてきたという意味でも、誰かの人生を変えうるという意味でも、はてなブログがやっぱり大好きです。