年末年始は2年ぶりに福島の実家に帰った。福岡から帰省するのは初めてだ。福岡空港から仙台空港まで約2時間。空港までは父が迎えにきてくれた。家には妹夫婦と甥っ子もきていて、賑やかだった。
母のお手製料理をたらふく食べ、ときどき手伝い(といってもすき焼きの肉を焼く程度)、父と酒を飲みながら紅白を見て、あとはこたつでくつろぐ日々。元旦に挨拶に行った祖母や叔父叔母いとこも元気で、久しぶりの帰省は疲れたけれども、有意義だったと思う。
病気や治療のことや、子どもを産まないし産めないことへの意見はチクりと心が痛む。意見という名の「かわいそう」という視線だと感じる。もう慣れているはずだったけれど、心が無防備になっていた。
わたしは、病気についてはおおむね受け入れているし、治療も人生も自ら選択して生きている。だから幸せだ。でも、他人の物差しで勝手に計られることは、よくある。気にしないようにするほかない。自分の幸せは自分の物差しでしか計れない。
福島の街は、あまり変化がなかった。ゆったりと時が流れていて、怒涛の日々を送っていたわたしにとって安らぐ地元であると同時に、長居すると飽きてしまいそうだった。久しぶりに帰ると、自分の価値観が、街や人々と乖離していることに驚く。逆にいえば、好きなことやものに囲まれ、自らの意思で暮らしやすさを手に入れられているのだと実感する。
昨年は、新しいことに手を出し過ぎた年だった。前半はキャンサーペアレンツのお手伝いに始まり、自らがん・難病患者のためのメディア「AFTER5」を立ち上げた。個人として複数の取材や執筆を受けた。多くの人に支えられて、応援の言葉をもらえたのは嬉しかった。その後、夏に急な引越しとリモートワークの開始。福岡の街に馴染み、会社の仕事はうまく進められたが、それ以外の活動がほぼできなかった。何人かの人を巻き込んでいたので申し訳ない。
学びとしては、自分の意見をまとめてアウトプットしていけば、同志が集まる可能性はあるということ。オンラインでも福岡でも、初めて会う人とのつながりがものすごく多い一年だった。
今年は、取捨選択をするために「感情を重視し、やりたいことを選び出し、やりたくないことをできるだけ減らす」ことを目標にする。まずは、福岡(とインターネット)でたくさんの人に会うこと、本や映像をみることなどでインプットを増やし、未来の選択肢を増やしたい。お友だち募集です。
今週のお題「2020年の抱負」