chirashi

エモーショナルな人生を

「ひょっこり出てきそう」の意味

叔父が死んだ。
42歳。若過ぎた。

通夜と葬儀は、ただひたすら悲しかった。
祖父母や曾祖父母といった、ある程度歳を重ねたひとの死には出会ってきたけれど、早過ぎる死に直面したのは初めてだったからかもしれないし、あまりにショックを受けた父を目の当たりにしたからかもしれない。
父と叔父、つまり父の弟は10歳離れていて、子どものように可愛がっていた。父と母はハタチ同士で結婚してしばらく子どもに恵まれなかったから(数年でわたしが生まれたのだけれど)、余計にそうだったのかもしれない。父の父母(わたしの祖父母)は短命だったこともあるのかもしれない。

そういえば、大人になって初めての葬儀だった。
父は三兄弟で、親戚で集まるときは、いつも仲良く兄弟たちといた。最近では、その家族とも仲良くしていた。今回は、その一人の叔父がいなかった。
よく死んだ人に「ひょっこり出てきそう」というのが分かった気がする。大人になったわたしは、もう死んだ人が今にも生き返りそうだとは思わない。ただ、その場にいるべき人がいないのだ。

葬儀は、その場に一番いるべき人がいない儀式なのだ。
ただそれだけが悲しかった。